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大学からのお知らせ【プレス・メディア】

本学卒業生の研究成果が国際学術誌に掲載されました

日本薬科大学卒業生の研究成果が国際学術誌に掲載!
—コロナ治療薬の投与量設計に新たな知見—

 

日本薬科大学の卒業生で、現在京都大学大学院に進学している仲丸雄太さん(本学在学時の指導教員:前田智司教授・佐古兼一准教授)の研究成果が、国際的な医学誌『IN VIVO』に掲載されました。

仲丸さんは在学中から、新型コロナウイルス(COVID-19)治療薬として使われていた「ロピナビル/リトナビル(LPV/r)」のより効果的な使い方を探る研究に取り組んできました。

この薬はもともとHIV(エイズウイルス)の治療に使われてきたもので、コロナ治療にも効果が期待されていました。しかし、これまでの標準的な量(1日2回、ロピナビル400mgとリトナビル100mgの組み合わせ)では、コロナ患者には十分な効果が出ないことがわかっていました。

仲丸さんの研究では、コンピューターによる薬の動きのシミュレーションを行い、リトナビルの量を増やすことでロピナビルの効果を高められることを発見。具体的には、ロピナビル400mgに対してリトナビルを1200mgにすることで、より効果的な治療につながる可能性があることを明らかにしました。

この成果は、すでに世の中にある薬を新しい病気の治療に役立てる「ドラッグ・リポジショニング(薬の再活用)」の重要性を示すもので、今後の感染症対策にも大きな期待が寄せられています。

■論文情報
Y. Nakamaru, et al.
Pharmacokinetic Simulation of Optimal Lopinavir and Ritonavir Dose Combination for COVID-19: Boosting Lopinavir With Ritonavir.
IN VIVO, 39: 2101-2108, 2025.
▶ 論文リンク:https://iv.iiarjournals.org/content/39/4/2101